「社会の問題解決こそ、企業価値創造の源である」
編者いわく「真に社会に価値を創造している企業の経営者、それらの企業を真摯に評価する運用者、そしてそのインベストメント・チェーンというインフラを担う当局、関係者」が登壇、「自らの価値創造・評価の取り組み、秘訣を惜しげもなく披露」しているとのことです。
目次を見てみましょう。
いかがでしょうか。
日本を代表する企業の経営者による、非常に興味深いテーマが目白押しです。
いくつか、そのさわりだけご紹介します。
まずは、編者による前書き「はじめに」より
企業の利益とは何か
「自社製品(原価五Oドル)によって、顧客の利益を一〇〇〇ドル拡大するような提案ができた場合、その製品をいくらの価格に設定するか?」という問いに対して、欧米の経営者の多くが五〇〇~六〇〇ドルと答えたのに対して、日本の経営者の多くは一〇〇ドルと答えたそうです。
この結果をみて、「日本の経営者は欧米の経営者よりも慎ましやかで欲深くないのだ」と結論づけるのは簡単ですが、ものごとはそれほど単純ではありません。
先進国の企業が第一に集中するべきことは、製品を安く提供することではなく、「顧客にとっての利益」をより多く生み出す提案をすることなのです。そして、顧客にとって本当に価値のある提案、製品やサービスの提供ができれば、その結果として、自社の利益がついてくるのです。
先進国企業にとって「利益を上げる」という行為は、「モノを安く作った」結果ではなく、「顧客の問題を解決した」結果であり、顧客をより広く捉えるならば、「社会の問題を解決した」結果なのです。これこそが顧客ニーズを始点とする経営戦略の発想です。
いかがでしょうか?
私はいきなり鷲掴みにされました。
企業の利益の源泉とは何なのか
企業が創出する付加価値とはどういうことか
企業経営の方向性は、判断の大方針は
といったことが、これを読めばあっさりと腹落ちします。
企業経営において、この考えがなければ、いかにモノやサービスを安く提供できるかの価格競争に陥ってしまうのでしょう。
我々、個人投資家が投資する企業を選択する際には、
上記のような視点で企業を分析し、真に「顧客の問題を解決」できる企業に投資したいものです。
そうすれば自ずと結果はついてくるでしょうし、
同時に「社会の問題を解決」することの一助ともなることができるのでしょう。
前書きでいきなりこの内容です。
本編では、各企業の実例を交えた、より具体的な「顧客の問題を解決」するための考え方や施策が紹介されています。
その内容については、また別の機会にご紹介したいと思います。
あと何と言っても全編を通して、非常に読みやすいです。
講義の再録ですので、口語で記述されており、すらすら一気に読めてしまいます。
興味があればぜひご一読ください。
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